Mr.Showbiz

2004

2004年パーソン・オブ・ザ・イヤーにNHKエビジョンイル

米Time誌「2001 Person of the Year」の表紙で幻となった田代まさし  覚えているだろうか?ノゾキや麻薬容疑で逮捕されたもの、「2ちゃんねる」では“神”と化した伝説の男・田代まさし。米Time誌の恒例「2001 Person of the Year」の投票で1位となったが、実際に表紙を飾ったのは、2位のビンラディンでもなく、今年も選ばれたブッシュ米大統領だった。

 Mr.Showbiz流に選ぶなら、今や“不祥事の総合商社”としてバッシングされるNHKの“エビジョンイル”こと海老沢勝二会長に捧げたい。次点は、もちろん読売新聞グループ本社の“ナベツネ”こと渡辺恒雄会長。単純な話、2人は小泉政権の抵抗勢力と見ている。

 海老沢は、長年と自民党を牛耳ってきた旧経世会の繋がりで身を上げてきた。旧経世会と言えば、小泉政権が抵抗勢力とする本丸。「シマゲジ(元NHK会長の島桂次)の首をとった男」として恐れられた野中広務が引退し、橋本龍太郎は日歯連から1億円の献金容疑に問われ、旧経世会は解体寸前に追い込まれている。

 また、第2次小泉内閣が掲げる郵政民営化にはいくつもの壁が存在し、その1つにNHKと郵政族との癒着だ。しかし、元「紅白」プロデューサーの磯野克巳が逮捕されたもの、紅白のキャスティングを握る男のような“受け身”は放置されたまま。Mr.Showbiz内には、「バーニング」という“絶対キラー”が存在し、既に海老沢の辞任要求はトークダウンしている。

 ナベツネは、政界を引退した中曽根康弘の盟友で、「オレが中曽根寄りでなく、中曽根がオレ寄りだ!」と豪語するほど。小泉からすると、裏で操られる二重構造はゴメンといったところか。プロ野球の1リーグ制についても、当初は「ナベツネが賛成しているから2リーグ派」だったが、堀江なんとかというチンピラのおかげで一気に急転してしまった。

 いや、NHKと読売は電通の抵抗勢力でもあるか?NHKは、「冬のソナタ」をはじめ、「美しき日々」「オールイン」と放映してきたが、「天国の階段」では電通が買い取り、フジテレビが放映した。当初はテレビ朝日が放映するはずだったが、「美しき日々」でも当初はTBSが放映すると報じられていた。やはり、韓流ビジネスの利権争いに「NHK vs 電通」の構図が見え隠れする。

 読売も、系列の日本テレビが視聴率買収で電通の“奥の院”に触れてしまった。視聴率を調査するビデオリサーチは電通の子会社で、それを脅かしてしまった不祥事である。かつて電通によるニールセン潰しまで蒸し返され、そのニールセンを支持していたのは日本テレビでもあった。そういや、中曽根が電通かその系列の顧問に天下りしたとも報じられていた。

 昨年で言えば、日本道路公団前総裁の藤井治芳のように、当初は「これが官の妖怪だ!」と批判されていたが、いわゆる「イニシャル」発言で急転。逆に、「これは民と官の戦いだ!」として挑んだ前国交相の石原伸晃が「悪者」と化したドンデン返しである。

ベストな本に小泉ブック

 Mr.Showbizが選ぶベストな本は、「小泉純一郎 血脈の王朝」(文藝春秋)。飯島勲、田中眞紀子、小泉信子。小泉政権の人気と危さはこの3人にあると。「信子は昆虫のように自分の夢を弟・純一郎に産みつけた」といった表現に楽しまされ、小泉ブックの最高峰とも評価したい。

 筆者の佐野眞一は、「巨怪伝」で正力松太郎、「カリスマ」で中内功を描いたノンフィクション作家。「文藝春秋」4月号の“小泉信子 すべては弟・純一郎のために”では、複雑な小泉家の血脈を綴り、Mr.Showbizの「小泉純一郎の研究」を駆り立てた瞬間だった。

 タイトル賞として、東京スポーツの「全裸盗撮ラブホ事件完全追跡 小池栄子 この乳を見よ!」(1月22日付)。これは、小池の乳がムキ出しにされたことより、ニセ乳を証明した貧乳ぶりを記事にしたもの。思わず、「このNHKエビジョンイル将軍のハゲを見よ!」と皮肉り、今となってはハゲに正当はなかったというわけだ。

 雑誌では、「週刊金曜日」の連載「マスコミ最大のタブー「電通」の正体」。特別賞は、休刊した「噂の真相」に贈りたい。

(2004/12/29)
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