2005
六代目山口組“司忍”新体制の謎
日本最大の暴力団「山口組」の六代目組長に篠田建市(通称・司忍)若頭が就任し、名誉総裁に就くと噂された渡辺芳則五代目は事実上の引退となった。他団体でも、住吉会の福田晴瞭会長が住吉一家の七代目総長に就任し、稲川会の稲川裕紘(本名・土肥)会長が死去するなど、ヤクザ界に激震が相次いでいる。先月27日、司組長の六代目継承式が本部で行われ、直系組長ら約100人が集まった。司組長の就任は、今年5月の若頭昇格からわずか2ヵ月余りの早さで、組長交代は実に16年ぶり。これには警察も驚きを隠しきれない。「もともと山口組の組長は終身のはずだ。本人が死ぬか、自分で辞めると言い出さないかぎり、世代交代はあり得ない」(兵庫県警暴力団対策課の係官)
昨年11月に“休養宣言”した渡辺五代目は、トップの使用者責任に問われ、一部では“組長隠し”とも言われたが、ジャーナリストの溝口敦はそれが引退理由とするのは「根拠薄弱」と語る。「週刊現代」によると、司組長の決定は執行部側の一方的な決定で、渡辺五代目は司組長を含む執行部側に「即刻辞めなはれ」と言われたという。
渡辺五代目が内紛に持ち込むことも可能なはずだった。溝口の著書「渡辺芳則組長が語った「山口組経営学」」(竹書房)で渡辺五代目が組長前に語ったインタビューによると、「俺には二度と大きな抗争を起こしたくない気持ちがあるからね」と語っており、竹中正久四代目組長が殺害された山口組・一和会のような大抗争を避けた引退意思だったのだろうか。
が、カネがらみだったという。非山健組系の中堅幹部は「五代目は子である組員のシノギを詰めて、わがシノギにする。これじゃ組員は育たない」と批判する。政治的にも、渡辺五代目と懇意だったハンナングループの総帥・浅田満がBSE問題で逮捕され、「五代目」の“五”と山口組の代紋「山菱」の“菱”をとって名づけられた「五菱会」系のヤミ金が摘発された。
司組長は、昨年2月に銃刀法違反で大阪高裁に懲役6年の実刑判決を受け、現在は最高裁に上告中。早ければ今秋にも最高裁の判決が下るかも知れないが、収監される可能性が高いという。そうなれば、組長不在の集団指導体制が敷かれるだろう。
新若頭は弘道会の高山会長
新若頭は、名古屋を拠点とする二代目弘道会の高山清司会長に決定。愛知県警は、関西系組織との抗争事件に発展する恐れもあるとして警戒を強め、高山会長率いる高山組のナンバー3にあたる松隈和彦本部長を銃刀法違反で締め出している。「山口組では、当代の出身母体から若頭が出ることは過去に1度もなかったんや。これまでなら考えられない人事やね。“小泉人事”やないけど、ほんま“サプライズ人事”やったね」(山口組関係者)
これに加え、岸本才三総本部長が最高顧問となり、若頭補佐に昇格した二代目宅見組の入江禎組長が本部長に。新若頭補佐は、極心連合会の橋本弘文会長に加え、四代目山健組の井上邦雄組長、侠友会の寺岡修会長、二代目伊豆組の青山千尋組長、旭導会の鈴木一彦会長が内定。この内、極心連合会の橋本会長は競売入札妨害、侠友会の寺岡会長は強要未遂の疑いで逮捕されている。ちなみに、橋本会長の報道された名前は「姜弘文」である。
また、副本部長である二代目吉川組の野上哲男組長を舎弟頭とし、古参の若頭補佐である山健組の桑田兼吉前組長、古川組の古川雅章組長、英組の英五郎組長、後藤組の後藤忠政組長を舎弟に。芳菱会の滝澤孝総長は若頭補佐のままだが、一部ではナンバー2の組長代行(もしくは副組長)にするのではとも見られている。
一方、1997年に宅見勝若頭(当時)の殺害で絶縁された中野会は解散。名目上「自主的」とされるが、この問題が長年と若頭が決まらなかった理由ともされ、司六代目体制の制裁的決行ではないかという。約130人の中野会組員は宅見組と侠友会に分散される予定。



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" by Seirin.