2007
韓国賭博ゲーム「海物語」で“大魚”釣れず
「“雑魚”は釣れたが、“大魚”を釣ることはできなかった」
ゲームに負けた嘆きではない。韓国の賭博ゲームをめぐる事件簿である。いや、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権を巻き込んだ「賭博ゲート事件」と呼んだらいいか?検察庁は大規模な捜査を打ち切ったが、政官の大物で逮捕されたのは文化観光部局長止まり。次期大統領候補にもあがっている鄭東采(チョン・ドンチェ)前文化観光部長官には逃げられたというわけか?
今回の主人公となったゲーム機が「海物語(パダイヤギ)」。AONE-BIZが日本のパチンコ機「海物語」(三洋物産)に“インスパイア”されて開発された。1台あたり550~800万ウォンで販売し、全国におよそ4万5000台が流通。圧倒的シェアNo.1を占めたが、中身は当選の上限額を超えた違法なカラクリボックスである。
昨年5月、「海物語」を販売するジーコプライムがコスダックに上場するIT会社のウゾンシステックとの合併を発表。いわゆる“迂回上場”というやつだが、そのウゾンシステックに盧武鉉の甥にあたるKT出身のノ・ジウォンが理事に就任していたのである。会社からすれば、まさに「盧武鉉の甥」という影響力を利用したもので、当初は社長を推進していたという。
そのノ・ジウォンがウゾンシステックに入社した2日後、「海物語」が映像物等級委員会(映等委)の審査を通過している。これは、合併する以前から関係があったのでは?とも勘ぐられる。合併が承認された日にはジーコプライムに家宅捜査が入っているが、その前日にノ・ジウォンは辞表していたのである。これも、事前に捜査情報が漏れた疑いがあり、同社役員の兄がヤメ検弁護士という話しまである。
その後、AONE-BIZのチャ・ヨングァン社長とジーコプライムのチェ・ジュンウォン社長(以下、2人を“「海物語」のチャ&チェ”と命名)が逮捕され、両社の“雇われ会長”だったソン・ジョンソクらが株価操作などで起訴された。その結果、「海物語」のチャ&チェに懲役1年6ヵ月、ソン元会長は同10ヵ月の判決が下った。
彼らにとっての“後ろ盾”も逮捕されている。韓国オリンピック委員会(KOC)のキム・ジョンギル会長の弟であるキム・ジョンサムである。彼は、「海物語」を導入する釜山のゲーム店「エルマル」(スペイン語で「海」)の実質オーナーで、周囲からは「キム会長」と呼ばれていた。店の会長でもないが、「海物語」の店主で結成された「海同友会」の会長だからもある。問題は「エルマル」の開店費用が8億ウォン。さて、どこから?
もう1人のキム会長。韓国コンピュータゲーム産業中央会(KGIA)のキム・ミンソク会長も逮捕された。こちらは悪質なヤリ手で映等委に圧力をかけ、「海物語」につぐシェア2位だった現代コリアのゲーム機「黄金城」の審査を通過させていた。現代コリアのイ・ジェヒョン代表は、大田地域の暴力団「現代派」の顧問で、組員らと映等委の女性委員を脅迫した容疑などで逮捕されている。
盧武鉉の紅衛隊
突き詰められなかったのが盧武鉉の後援会「ノサモ」のミョン・ゲナム前会長。自ら「盧武鉉の紅衛隊」と名乗り、盧武鉉を大統領にさせた“一等功臣”とも崇められ、熱心な盧武鉉信者「親盧(チンノ)」の代表格でもある。盧武鉉が最も嫌う保守的な新聞「朝鮮日報」を“帝国新聞”と呼び、同紙が“連チャン”報道する今回の事件についてこう罵っている。「盧武鉉政権を沒落させる“帝国新聞”の陰謀」
彼はソル・ギョングとムン・ソリが共演した映画「オアシス」を制作したイーストフィルムの代表でもあり、この監督のイ・チャンドン元文化観光部長官とも、「朝鮮日報」がスポンサーの「青龍映画賞」をボイコットしたことがある。その「オアシス」に投資したアーケードゲーム会社のNプレックスに「海物語」のチャ&チェがかつて勤務し、ミョン代表は「海物語」に数十億ウォンを投資した疑いがある。
それだけではない。彼は釜山映像委員会の運営委員長を務め、映等委の審査に圧力を加えたり、年間30兆ウォンとも言われる商品券の利権にも介入した疑いもある。その収益は守秘義務が徹底しているスイスの銀行に預け、次期大統領選で盧武鉉が推進する候補者に使われるのでは?とも。また、日韓合作映画「GO」などにも出演した俳優でもあり、今回の事件で「俳優ミョン・ゲナム」から「海物語ミョン・ゲナム」の“汚名”がついたとか。
盧武鉉政権に直撃すると言えば、商品券を発行するコウィンソルーションの“悪業”に関与した疑いのクォン・キジェ元大統領府行政官である。盧武鉉の出身でもある釜山の税務署から国税庁本庁に移籍し、大統領府秘書室に派遣された超特急出世者で、盧武鉉の妻・権良淑(クォン・ヤンスク)女史の弟であるクォン・ギムンとは大学同期だという。
どうやら、次期政権まで“お預け”というわけか?






" by Seirin.