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2007

台湾芸能界を牛耳る女帝『恐るべき“権化”』

 無名だった金城武をアジアのスターに育て、「ブラックビスケッツ」後の徐若[王宣](ビビアン・スー)を支え、「鈴木“あみ”状態」だった蔡依林(ジョーリン・ツァイ)を台湾一の歌姫に再生。張惠妹(アー・メイ)や舒淇(スー・チー)の後見人となり、林志玲(リン・チーリン)の“後ろ盾”にもなっている女帝。「バラエティの母」とも呼ばれる通称“葛姐”こと葛福鴻である。

 今年3月、表舞台にほとんど姿を見せない葛姐が「香港四天王」の“歌神”こと張学友(ジャッキー・チュン)のミュージックビデオ撮影で姿を現した。ちょうど、張学友の公演マネージャーである陳淑芬の誕生日で、伊能静の夫でもある歌手の“哈林”こと痩澄慶(ハーレム・ユー)も駆けつけていた。

 質素で控えめそうな葛姐は、芸能事務所の「福隆(フーロン)経紀」と「天熹(マーズ)娯楽」、及び台北アリーナのプロモーター会社「スーパードーム」のオーナー。それ以前はテレビ番組のプロデューサーで、彼女が手がけた人気番組「超級星期天」の司会に哈林が務めていた。そして、張学友が主役のミュージカル「雪狼湖」こそが台北アリーナの記念すべき“こけら落とし”を行っている。

 年代集団の衛星テレビ「東風衛視」の董事長も務め、“三金賞”と言われる音楽の「金曲奨」、映画の「金馬奨」、テレビの「金鐘奨」を独占放送し、会場はいずれも台北アリーナである。浜崎あゆみが台北アリーナで公演を行い、倉木麻衣が「金曲奨」にゲスト出演できたのも、葛姐の“権化”なくしては実現しなかっただろう。

 年代オーナーの邱復生とは懇意の仲で、年代が香港の最大テレビ局「TVB」と共同で衛星テレビ「TVBS」を立ち上げ、党政軍に長らく支配され続けた地上波テレビ“老三台”に対抗。番組プロデューサーにしか過ぎなかった葛姐が経営者となる転換期で、これが“女帝”を誕生させた原点とも言うべきか?

葛姐祝賀会

 「福隆」には、金城武はじめ、陶晶瑩(タオ・ジンイン)や侯佩岑(パティ・ホウ)、莫文蔚(カレン・モク)、天心(ティエン・シン)、そしてF4の言承旭(ジェリー・イェン)を除く“F3”など。「天熹」には、蔡依林や羅志祥(ショウ・ルオ)、楊丞琳(レイニー・ヤン)、関穎(テリー・クァン)、林熙蕾(ケリー・リン)、黄立行(スタンリー・ホァン)など。そうそうたる“配下”である。

 今年の「金曲奨」はまるで“葛姐祝賀会”のようだった。ファンが選ぶべき“最も愛される賞”に蔡依林と羅志祥が選ばれ、司会に陶晶瑩と侯佩岑が担当、天心や関穎、楊丞琳、黄立行ら配下タレントが数多く出演している。マスコミが注目した周傑倫(ジェイ・チュウ)の恋敵とされる蔡依林と侯佩岑の鉢合わせもなく、最善な“気配り”がなされている。

 それに、今年から年代のインターネット配信「I'm TV」でも生中継され、中華越えのテーマ「Look@Mii(Music is International)」で“関西小天后”と称された倉木のほか、NEWSメンバーのユニット「テゴマス」や韓国のスーパージュニアも招待されている。「葛姐は、右手で日本や韓国のタレントを出演させ、左手で所属タレントを国際舞台に押し上げている」

 その葛姐に思わぬ“落とし穴”が待っていた。今年の「金馬奨」が資金不足に陥り、主催する台湾電影基金会の董事長にも居座っていた邱復生が辞任。会場は台北アリーナのままだが、放映権が東風衛視から星空伝媒に移り、これまでの好き勝手にはいかなくなる。その上、中国の映画とテレビを管轄する国家広播電影電視総局が「金馬奨」から撤退するとも報じられている。

(2007/10/22)
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